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バッタ君 町に行く
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    動画の先生Kさんに誘われて、フライシャーの名作『バッタ君 町に行く』を見に行ってきました。

    『バッタ君 町に行く』 1941年 アメリカ
    マックス・フライシャーとデイブ・フライシャー兄弟によるフライシャー・スタジオにて作られた、長編カラーアニメーション映画。

    70年近くも前に作られた作品だけあって、まぶたが重くなることも多々ありましたが、見終わってから、やっぱり名作だと思いました。
    フライシャー・スタジオといえば、ディズニーと並んでアメリカのアニメーション史を築き上げた2大スタジオのうちのひとつです。トーキー化やカラー化といった時代の波に乗り切れず、最後はアニメ界の生存競争に負けてしまったため、現代ではあまり一般に知られてないかもしれません。でも彼らの作ったベティ・ブープやポパイ、スーパーマンは80年以上経ったいまでも、生き残ってまして、アメリカのみならず、世界のアニメーション史には決して欠かしてはならない存在です。

    そんな(今となっては)影の実力者、フライシャースタジオの集大成ともいえる作品がこの『バッタ君 町に行く』です。
    このタイトルから当初はバグズライフみたいな、冒険ものかロードムービーみたいなものなのかな、と思っていたのですが、全然違いました。小さな家の庭先で、虐げられ続ける小さな虫たちの生きる姿を、綺麗ごとぬきで描いた実に世知辛いお話でした。ラストは一応、ハッピーエンドではあるんですけど、超高層ビルの屋上から、小さな虫が下界を見下ろして「下の人間をごらんよ 。小さな虫みたいに見えるよ」という痛烈な皮肉の一言で終わるというおまけつきです。

    ファンタジーでハッピーな作品を作り続けたディズニーとは違って、フライシャーの作品は世の中に対するアンチテーゼや批判がコミカル&シニカルに描かれている、とは聞いていました。それは田舎育ちのディズニーと都会育ち(ニューヨーク?)のフライシャー兄弟との生い立ちの差がそのまま現れているんだとかないとか言われていますが、『バッタくん』はまさに大都会に暮らす人々の“行き場のない生き辛さ”がテーマだと思いました。
    夢を見たいけど否が応でも現実を押し付けられ続ける、大人の日々を正面から描いた感じです。魔法にかけられている暇なんてここにはありません。

    とはいえ、やっぱりみんなで見て楽しむのがアニメーション。ひとつひとつのアクションにいちいち工夫がこらされていて、それぞれのキャラクターにあわせたとてもおもしろい演技指導がされていました。壁に叩き付けられて、トーテムポールになっちゃう悪役三人組の原始ダンスや、封筒に閉じ込められたホピティ(主人公)が風に乗って飛び跳ねて行くシーンとか、アニメーションならではのアイデアがあちこちにちりばめられていました。
    帰省中立ち寄った地元の映画館に「アニメーターをやるやつは見ておくべき」by宮崎駿というポスターが張ってありましたが、私もその隣に名前を書いて、ぜひ署名活動に参加したい、と思いました。


    ちなみに、一緒に行ったKさん曰く、「これね、背景ポスターカラーじゃなくて、水彩なの。フィルムが古いせいかもしれないけど、この淡くて綺麗な色は水彩じゃないと出ないと思うよ」とのこと。ポスターカラーも水で溶けるから、水彩なのでは、、、と思いつつ、へーそうなんですかーと首をブンブン縦に振りました。
    さらに、Kさんから「虫の視点だからね、階段が1段、2段、3段あったら、全部上の面の見える角度が変えてあるんだよ。気づいた?」と言われ、(うわぁ、すっかり見逃してた)と思いつつ「はい!」と首をブンブン振っていました。

    以上、こんなところが見所です。
    まだまだ公開されているようなので、ぜひ、アニメーターをやるやつは見にいってみてくださーい。


    posted by: anikoromushi | 海外 1940年代 | 18:33 | comments(0) | trackbacks(0) |









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