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赤毛のアン 〜グリーンゲーブルズへの道〜
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    ちょっと前になりますが、7月の終わりに
    『赤毛のアン〜グリーンゲーブルズへの道〜』を見てきました。

    鑑賞者はもれなくこんな小冊子がもらえます
    鑑賞者はもれなくこんな小冊子がもらえます


    テレビシリーズの1〜6話を再編集して作られた100分の映画です。
    なにせ、そんな経緯なので、金儲けしたい経営陣の要望についに高畑監督が折れて実現した企画ものなのかな…なんて勝手にかなりやさぐれた心持ちで見に行ったのですが………これが、もう!すばらしい!!!

    物語は、孤児だったアンが、グリーンゲーブルズへ引き取られるまでの、ほんの序盤部分だけなのですが、
    ・観客を引き込むきめこまやかな演出、
    ・プリンスエドワード島の美しい背景、
    ・生き生きと動く登場人物たち、
    ・彼らに魂を宿す見事な声、
    もういちいち感動しては5分おきくらいに涙ぐんでしまいました。


    こんなふうに書くとどんなに大掛かりなものだったんだろう、と思われてしまうかもしれませんが、上記の点すべて実に素朴なものでした。

    背景は美しいけど、特別描き込んであるというわけではなく、テレビはともかくスクリーンで見るとけっこう大雑把なくらいです。でも、プリンスエドワード島の豊かな自然が十分に伝わってきました。

    人物たちの動きもアクロバティックなシーンなんて一度もありません。でも、そこに確かに感情をもった人物が一人ずつ存在しているのがよく伝わってきます。
    冒頭、駅で迎えを待つアンが、ふと視線を横に走らせるときのすばしこさ、それからゆっくりと正面に戻す時の遅さ、たったそれだけのシーンなのですが、緊張を押し殺そうとしている少女の心情がとてもよく伝わってきました。
    こういったわずかな動きの積み重ねが、人物たちの心情を見事にじみだしていて、ほとんど話さないマシューの気持ちまで、手に取るようにこちらの心に染み入ってきました。

    でもね、たぶん観客はいちいちこんな細かいこと気づく必要ないんだと思います。本当にすべてのカットがすばらしい工夫にあふれているのですが、それらが見ている人の心を無意識に満たしていく素朴さがすばらしかった。大切なのは演出家の技術を見せつけることではなく、作品そのものを見てもらうことですね。


    その究極が、すばらしき声優陣。もはや“声優”という概念を捨ててしまいたい、と思うほどでした。マリラを演じてる北原さん、なんて考えたくないんです。そこにいるのはまぎれもなくマリラはマリラであり、マシューであり、アンでした。


    映画にとって、アニメーションにとって、一番大切なのはもうひとつの世界への窓を開くことではないでしょうか。そして、観客に決して気づかれることなく、その窓をくぐった向こう側の世界へと誘ってしまうことなのではないでしょうか。
    そのために必要なのは、描き込まれた背景でもなく、有名俳優の声優陣でもないようです。必要なのは、そこには登場人物たちがいて彼らの生活があるという確かな存在感、ということをほとほと多くの感動とともに教えてくれた、すばらしい作品でした。


    ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

    テレビシリーズが放送されていたのは1979年のこと。
    現在ぎりぎり20代の私がアニメの『赤毛のアン』をちゃんと見たのは今回が初めてでした。子供のころ、母に連れられて実写の映画は見ていたのと、あまりに有名な話なのでおおまかな流れは知ってはいたのですが、まああくまでも大まかな流れです。

    今回、初めてアンの想像力とふれあった結果、すっかりアンの世界にはまってしまい、古本屋にて小説を手に入れて一気に読みました。

    それで驚いたのは、アニメと全然違うじゃないか!ということ。と同時に、とてつもなく忠実に再現されているんだな!という驚き。

    なにを言っとるんだ、という文章になってしまってますが、だってね、ひとつひとつのエピソードは確かに原作そのままなんです。でもモンゴメリ(村岡花子さん訳)の文章からじゃ、あの“間”であったり、マリラのあきれた口調も、マシューの「そうさのう」も、美しい景色も、アンの想像の世界もあそこまでありありとはわからなかったんです。
    いやはや、改めておみそれしました。

    私もアン並みの想像力を持って映画の続き7話以降を読み進めていかなくては、と思いました。


    posted by: anikoromushi | 日本 1970年代 | 12:58 | comments(0) | trackbacks(0) |









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